秋刀魚の歌
2009/08/11 火 20:23
MOR
旧盆が近くなると、僕は秋刀魚の歌を思い出します。
詩人にして小説家でもあった佐藤春夫の名作の一つですね。
あわれ 秋かぜよ
情あらば伝えてよ
男ありて 夕げに
ひとり さんまを食らひて
思ひにふける と。
さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
……。
「さんま、さんま、さんま苦いか 塩つぱいか」
の部分でも知られる、悲しくも静かな作品ですが、とりあえす以下は略。
なぜ、秋ではなく暑い盛りにサンマのことを想い出すのかというと、
理由があります。
この作品から、サンマにすだちをかける光景をイメージする人が多く、
その場面に出くわすと、
いつも少しだけイラッとします。
上の秋刀魚の歌で出てくる「男」とは、佐藤春夫自身といわれています。
そうすると、「男がふる里」は佐藤春夫の故郷でしょう。
実は僕は佐藤春夫と同じ和歌山・新宮の出身でして、
地元で「蜜柑の酢」は、すだちではありません。
「みかんず」というものが売られています。
それがコレ。
image[みかん酢]
ちょっと分かりにくいですが、
たぶん間引きした未熟の青いみかんのことで、
大きさは確かにすだちほど。ただし香りはすだちほど強くなく、
酸味もおだやかで、味にも香りにも少し甘みがあります。
何せみかんですから。
値段は、街の八百屋で一掴み50円前後と格安。
何せ間引いたものですから。
それが、旧盆の10日から2週間ほどの間だけ出回ります。
サンマに滴らせるかどうかは別にして、
みかんずを手にするといつも、
『蜜柑の酢といや、これやろ〜』
と思います。
そんなこんなで、旧盆の暑い時期に、
いつもサンマを思い出す羽目になるわけです。
メディアが発達した時代でも、地方に埋もれた食文化は、
探せばまだ見つかるのでしょう。
ではこのみかんず、何に使われるのか…。
長くなりましたので、
それは次回に持ち越しです。
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